2023年6月4日日曜日

NO.887〜2023年6月4日(日)〜💐せっちゃんだより💐〜

 💐 せっちゃんだよりから 💐

 心、頭脳、人格が、変質していく

 長引く、物質中心、利潤第一の文化の中で、人間として大事な心、共感する精神が、失われてきていると感じます。よく、事件が起きると、どんな親か家庭かと!詮索されます。必ず、卒アルという、写真が流出し、書いた文章なども公開。

 でも、この時代、親より家庭より、社会に広がる、雰囲気、流れに、影響されていると思う。弱肉強食。どこでも、大人も、いじめ。未熟な、個人主義、自己責任。そして、家庭から、家族の情報交換、相互理解、団らんが消えて 久しいのだ。
  
 焼け野原の日本が、復活するきっかけは、あの、朝鮮戦争だった。人が殺しあいをする、戦争で、甦った日本。
 時代を経て、この世紀を、分析、総括できる日が来ることを、信じています。
 6月の花、アジサイ。雨にも、負けず、癒される、アジサイね!

🌻 せっちゃんだよりを読んで、久しぶりに、茨木のり子さんの詩集「倚りかからず」(筑摩書房刊 1999年10月30日第二刷発行)を取り出した。その中の一編、42ページ〜46ページに載っている「時代遅れ」を。
   時代おくれ
車がない
ワープロがない
ビデオデッキがない「
ファックスがない
パソコン インターネット 見たこともない
けれど格別支障もない
 
  そんなに情報あつめてどうするの
  そんなに急いで何をするの
  頭はからっぽのまま
 
すぐに古びるがらくたは
我が山門に入(い)るを許さず
 (山門だって 木戸しかないのに)

はたから見れば嘲笑の時代おくれ
けれど進んで選びとった時代遅れ
      もっともっと遅れたい

電話ひとつだって
おそるべき文明の利器で
ありがたがっているうちに
盗聴も自由とか
便利なものはたいてい不快な副作用をともなう
川のまんなかに小船を浮かべ
江戸時代のように密談しなければならない日がくるのかも

旧式の黒いダイアルを
ゆっくり回していると
相手は出ない
むなしく呼び出し音の鳴るあいだ
ふっと
行ったこともないシッキムやブータンの子らの
襟足の匂いが風に乗って漂ってくる
どてらのような民族衣装
陽なたくさい枯れ草の匂い

なにが起ころうと生き残れるのはあなたたち
まっとうとも思わずに
まっとうに生きているひとびとよ

🌻 茨木のり子さんが、今存命なら、現在のこの世をどんな詩に書いたかしら。