🌻 明日のことは,明日になってから書けばいいのですが、最近の心身の状況を考えると、もしかしたら、明日が過ぎてから「あ、茨木のり子さんの命日を忘れていた!」ということになるかもしれないと思って 、ただいま2月16日午前3時前ですがパソコンの前に座りました。
茨木のり子さんを知ったのはいつだったか、彼女が亡くなってからかもしれません。彼女の著書は8冊書棚に並んでいます。彼女の作品はどれもこれも好きですが、一番心に深く響いてくるのは「倚りかからず」です。
詩集「倚りかからず」は、1999年10月7日筑摩書房より第一刷が発行されました。今、その本を書棚から取り出してみたら、そこに「2022年2月21日の毎日新聞切り抜き」が挟んでありました。それは「倚りかからず」(筑摩書房)の広告です。「詩集としては異例、累計27万部突破のベストセラー」とあります。その詩を以下に。
倚りかからず
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
彼女の詩は,どれもこれも大好きですが、年とともにやはり、「倚りかからず」が実感を伴って響いてきます。ただ、
倚りかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ
と言い切れるのはすごいなあと思います。そうありたいと思います。でも、私はまだ、そう言いきれない弱さがあるなあと、ため息も。
茨城のり子詩集「倚りかからず」