2024年2月16日金曜日

NO.1057〜2024年2月16日(金)〜明日17日は「茨木のり子」さんのご命日(2006年2月17日)です〜

🌻 明日のことは,明日になってから書けばいいのですが、最近の心身の状況を考えると、もしかしたら、明日が過ぎてから「あ、茨木のり子さんの命日を忘れていた!」ということになるかもしれないと思って 、ただいま2月16日午前3時前ですがパソコンの前に座りました。

 茨木のり子さんを知ったのはいつだったか、彼女が亡くなってからかもしれません。彼女の著書は8冊書棚に並んでいます。彼女の作品はどれもこれも好きですが、一番心に深く響いてくるのは「倚りかからず」です。

 詩集「倚りかからず」は、1999年10月7日筑摩書房より第一刷が発行されました。今、その本を書棚から取り出してみたら、そこに「2022年2月21日の毎日新聞切り抜き」が挟んでありました。それは「倚りかからず」(筑摩書房)の広告です。「詩集としては異例、累計27万部突破のベストセラー」とあります。その詩を以下に。

    倚りかからず

もはや

できあいの思想には倚りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない

もはや

できあいの学問には倚りかかりたくない

もはや

いかなる権威にも倚りかかりたくない

ながく生きて

心底学んだのはそれぐらい

じぶんの耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある

倚りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ


彼女の詩は,どれもこれも大好きですが、年とともにやはり、「倚りかからず」が実感を伴って響いてきます。ただ、

倚りかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ

と言い切れるのはすごいなあと思います。そうありたいと思います。でも、私はまだ、そう言いきれない弱さがあるなあと、ため息も。

 茨城のり子詩集

 「倚りかからず」