2022年2月5日土曜日

NO.412 2022年2月5日 芥川賞〜太平洋戦後

 🌻 石原慎太郎が芥川賞を取ったことの関連から、芥川賞についてちょっと調べてみた。第一回芥川賞は、1935年上半期で「石川達三の蒼氓」。わたしが生まれる4年も前のこと。今更ながらびっくり。石川達三の作品で一番記憶にあるのは「人間の壁」(1957年8月23日〜1959年4月12日朝日新聞に連載)。1959年には山本薩夫監督で映画化された。大好きな宇野重吉や香川京子が主演だった。しかも内容が教育問題だったので、教師を目指していた私にとって忘れられない作品だった。その人間の壁が、新聞に連載されていた2年前、1955年の下半期の芥川賞が石原慎太郎の「太陽の季節」だったとは、かなり驚かされる。

 58年3月に高校を卒業し4月から大学生になって教師を目指していた私は、「人間の壁」を真剣に読み映画も見ている。しかし、「太陽の季節」や「太陽族」とは無縁だった。

 芥川賞の第1回受賞が石川達三の「蒼氓で、第20回1944年下半期まで続いたが。太平洋戦争末期の45年から戦後の1948年までは芥川賞どころではなかったようだ

 第21回は1949年上半期まで待たねばならなかった。この時の受賞は「由起しげ子〜本の話」と「小谷剛〜確証」、そして第22回は1949年下半期で「井上靖〜闘牛」が受賞した第23回1950年上半期「辻亮一〜異邦人」(この後の表記では該当者なしの回は省きます) 25回1951年上半期は、石川利光「春の草 他」と 「安部公房〜壁」同時受賞。 26回1951年下半期「堀田善衛〜広場の孤独・漢奸その他」  28回1952年下半期「松本清張〜或る「小倉日記」伝」「五味康祐〜喪神」  29回1953年上半期「安岡章太郎〜悪い仲間・陰気な愉しみ」  31回1954年上半期「吉行淳之介〜驟雨・その他」 32回1954年下半期「庄野潤三〜プールサイド小景」「小島信夫〜アメリカンスクール」同時受賞  33回1955年上半期「遠藤周作〜白い人」  34回1955年下半期「石原慎太郎〜太陽の季節」  35回1956年上半期「近藤啓太郎〜海人舟」 37回1957年上半期「菊村到〜硫黄島」 38回1957年下半期「開高健〜裸の王様」 39回1958年上半期「大江健三郎〜飼育」  41回1959年上半期「斯波四郎〜山塔」  43回1960年上半期「北杜夫〜夜と霧の隅で」  44回1960年下半期「三浦哲郎〜忍ぶ川」  46回1961年下半期「宇能鴻一郎〜鯨神」   47回1961年上半期「川村晃〜美談の出発」  49回1963年上半期「河野多惠子〜蟹」後藤紀一〜少年の橋」同時受賞。  50回1963年下半期「田辺聖子〜鑑賞旅行センチメンタルジャーニ  51回1964年上半期「柴田翔〜されどわれらが日々ー」  53回1965年上半期「津村節子〜玩具」  54回1965年下半期「高井有一〜北の河」   56回1966年下半期「丸山健二〜夏の流れ」  57回1967年上半期「大城立裕〜カクテル・パーティー」  58回1967年下半期「柏原平三〜徳山道助の帰郷」   59回1968年上半期「大庭みな子〜三匹の蟹」 「丸谷才一〜年の残り」同時受賞。    61回1969年上半期「田久保英夫〜深い河」「庄司薫〜赤頭巾ちゃん気をつけて」同時受賞   62回1969年下半期「清岡卓行〜アカシアの大連」

* かなり目が疲れたので今日はここまでにします。70年以降は、次回に。見直しもしたのですが、間違いがあるかもしれません。お気付きの時はお知らせ下さいね。