2022年2月17日木曜日

NO.422 2022年2月17日、二回目の投稿<鴨長明「方丈記」に関して>



今日、2022年2月17日、手に取った方丈記に新聞の切り抜きが挟んでありました。

上の写真。2012年3月11日(日)の毎日新聞書評欄「今週の本棚」でした。

ちょうど、東日本大震災から1年後ということで、関連の本が取り上げられていたのです。

「方丈記」は、中村桂子さんが評を書いています。取り上げた方丈記は

「鴨長明 方丈記」浅見和彦校訂・訳(ちくま学芸文庫・1050円)

書評のタイトルは「災害を見据えた古典が示唆するもの」素晴らしい書評です。

今朝、投稿したブログにわたしは、

昨日の東京新聞夕刊「大波小波」に<心のワクチンは>というタイトルで、

危機の時代の文学の重要性を述べていた。

と書きました。

方丈記のの書かれた時代を思うとき、大震災から1年目に取り上げるものとして、本当にふさわしい本だと思います。

中村さんの書評の結語は、

 <無常という言葉の受け止め方は難しいが、自然は常ならずは事実だ。長明はそれを受け入れ自律的に生きている。科学技術時代に生きる私たちも、天災・人災の重なった被害から立ち直るには、自然と向き合い、その中にいることを確かめながら、なお自律的に生きるしかない。一人一人が自らを生き、支え合い、地域に根ざし、自然を生かした社会をつくることだ。これができなければ私たちは何も学ばなかったことになる。>

 長明の「方丈記」を、中村さんは、<みごとな「災害ルポルタージュ」である>と言う。1000年近くも前の著作が今に読みつがれ、様々な示唆をあたえるのだが、現在のこのコロナや自然災害の時代に1000年後にも読み継がれる文学作品が生まれるのだろうか。