2021年3月28日日曜日

44.何千本よりも1輪が愛しい

 「◯千本の何々が咲いて、まるで〇〇色の絨毯を敷き詰めたよう」とか、丘一面の〇〇の花とか、たくさんあることを愛でる風潮があるけれど、私は、1本、一輪をじっくり眺めるのが好き。公園のお花見に集まった人たちは、本当に桜の花をよく見ているのかな、なんて思う。意地悪バアさんになって「桜の花弁は何枚かな」なんて聞いてみたいな。

 我が家の庭は、シランが花芽を持った。枯れたのかななんて気にしていたドウダンツツジもようやく蕾が。人の世は、もう勝手にしたらと思うくらい嫌な話ばかりだが、植物たちは健気だね。多分ホモサピエンス亡き後の地球は、植物たちの天国になるんじゃないかな。そんなことを思っていて、ふと思い出したことがある。

 地球の生命の歴史は、残るところあと10億年です。   10億年後には、太陽が膨張して地球上の水が全て蒸発してしまうからです。つまり、地球の生命の歴史は全部で50億年、私たちはその中で既に40億年を生き抜いてきたのです。

(「人類5000年史 1 紀元前の世界 出口治明著」ちくま新書 2017年11月10日第一刷発行19ページより)





上はドウダンツツジのつぼみ、

左はシランの花芽