2021年6月1日火曜日

127.『差別は許されない』に反対の自民党

 *東京新聞と毎日新聞両方購読しているが、大きな記事は大抵同じことが多い。テレビニュースなどとも重なる。しかし今日の両紙の紙面には、大きな違いがあった。1面は両紙ともコロナ関連。ところが2面を見ると毎日は、ここもコロナ関連で、一番大きな見出しが「コロナ特効薬開発激化〜追跡〜」。東京は、LGBT法案関係で、最大見出しは「一部議員抵抗かたくな」

 東京が2面の紙面の約半分を使っているこの問題を、今日の毎日は、扱っていない。これはかなり珍しいことだ。東京特ダネということではなくて、LGBT問題に対する両社の考え方の違いではないかと思う。この法案が自民党の会合で審議され、考えられないほどの差別発言が飛び出した時は両紙とも大きく取り上げ、「一寸先は闇」でも、5月22日に取り上げた。今日の東京新聞2面の見出しは、<LGBT法 自民混乱で急ブレーキ> <「差別許されない」文言に 一部議員抵抗かたくな> 記事のリード部分を以下に。

 超党派で合意したLGBTなど性的少数者の課題に関する「理解増進法案」は、自民党内で「差別は許されない」との表現への了承が得られず、今国会への提出が見送られることになった。法案には、職場や学校などでの性的少数者の差別解消に実効性をもたせるための具体策は盛り込まれず、さらなる法整備に向けた入り口となるはずだった。自民党の保守派の一部議員がかたくなで、スタート地点さえ遠のいている。(中根政人、奥野斐)

 全く話にならない!記事本文の途中にこんな記述がある。

<しかし、自民党内の手続きが始まると、一部議員から異論が噴出。特に、実務者協議で基本理念に盛り込まれた「差別は許されない」との文言に対し「行き過ぎた差別禁止運動につながる」「差別の範囲が明確でなく訴訟が増える」との批判が相次いだ。結局、党内では特命委、政調審議会は通過したものの、最終決定機関の総務会で意見集約ができず、党三役に一任という形に終わった。特命委員長の稲田朋美元防衛相は自身のツイッターで「私はあきらめていない。今国会で成立させたい」と書き込んだが、佐藤勉総務会長は31日の党役員会で「三役で協議した結果、今国会には提出しないと確認した」と明言した。

記事全体は、ぜひ東京新聞の紙面で確認してほしいと思いますが、私が一番腹立たしいのは、「差別は許されない」との文言に対し「行き過ぎた差別禁止運動につながる」「差別の範囲が明確でなく訴訟が増える」との批判が相次いだ。ということ。これは批判などと言えるものではない。ためにする「いちゃもん」に過ぎない。「行き過ぎた差別禁止運動」とは何か!「差別の範囲が明確でなく訴訟が増える」!?それなら差別の範囲を明確にすべく努力するのが議員の務めだろう。とにかく「差別禁止は許されない」という理念そのものに反対の連中がいちゃもんをつけたということで、そこのところをメディアは厳しく追及してもらいたい。また、選挙を控えての発言だとしたらこんな選挙民をなめた話はない。次の選挙で、こんな連中を国会に送ってはならない。

 2021年6月1日現在の自民党三役<二階幹事長、佐藤総務会長、下村政調会長>