2022年4月8日金曜日

NO.490.2022年4月8日(金)毎日夕刊特集ワイド「百田氏の本のウソの検証」

🌻 きょうの毎日新聞夕刊特集ワイドは、4月1日の続き。4月1日は<日本国紀「南京大虐殺はウソ」論を検証の上だった。きょうはその下。以下、記事を書き写す。

ウクライナ侵攻を続けるロシアは民間人の殺害を否定している。これを「歴史の修正」と捉えるなら、日本人が避けて通れないのが作家・百田尚樹氏のベストセラー「日本国紀」(幻冬舎)に記された日本軍による「南京大虐殺はウソ」論だ。南京事件研究の第一人者で都留文科大名誉教授、笠原十九司(かさはらとくし)さん(77)と、同書が主張する「事実」の検証をさらに進めたい。

 4月1日付「特集ワイド」にけいさいした前編は、百田氏が記した「ウソ」論の主な根拠となる七つの「事実」のうち、「南京大虐殺は世界で報じられていない」「南京市の人口は(1937年12月の)日本軍の占領後に増えている」といった①〜④を当時の資料などに基づいて検証した。残りの三つはーーー。

⑤<(当時の報道写真には)南京市民が日本軍兵士と和気藹々と写っている日常風景が大量にあります>(文庫版下巻の196ページ)

⑥<(日中戦争は8年続いたが)南京市以外での大虐殺の話はありません。(中略)とりわけ日本軍は列強の軍隊の中でも極めて規律正しい軍隊で、それは世界も認めていました。>(198ページ)

⑦<東京裁判でもおかしなことがありました。(中略)30万人も殺したはずの南京大虐殺では、南京司令官の松井石根大将一人しか罪に問われていないのです。規模の大きさからすれば(中略)何千人も処刑されているはずです>(198〜199ページ)

 これらは事実か?

 では⑤から。笠原さんが解説する。「確かに当時、南京市民が『和気藹々』とするような写真ばかり報じられました。当然です。軍の検閲で『我軍に不利なる記事写真』『惨虐なる写真』など(37年9月9日、陸軍省「新聞掲載事項拒否判定要項」)は報道されなかったのです」南京の現実とかけ離れた日本での報道を耳にし、安全区で救護活動をしていた米国人外科医、ウイルソンは37年12月21日付の手紙で「本当のニュースが伝えられたら大きな動揺が起こるはずだ」と憤ったし、南京司令官、松井石根その人からして38年2月6日の日記で「支那人民の我軍に対する恐怖心去らず」と記したのが実情だった。前編で紹介した「南京事件資料集1」(青木書店)「南京戦史資料集2」(偕行社)に詳しい。

🌻 以上、記事を書き写しました。さらに記事は、⑥、⑦についても、⑤と同様に資料に基づいて、百田氏の本のウソを暴いている。しかし、残念ながら、なおこばーちゃんは目が疲れちゃって、すべての書き写しができません。すみませんが、毎日新聞を手に入れて読んでくださるとありがたいと思います。とにかく百田氏の本の酷さがわかります。こんなウソ八百本がベストセラーだなんて信じられない。どういう人が買うのでしょうね。

記事には、吉井理紀の署名があります。