2021年5月15日土曜日

106.師岡カリーマさん素晴らしい!尊敬!

 東京新聞15日(土)特報部の「本音のコラム」師岡カリーマさん。

*いつも彼女のコラムには感服しているが、今日の

本音のコラム「そして流血の連鎖は続く」

は、いつもにも増してすごい!!!素晴らしい!以下全文引用。

十一日未明、電子版ニューヨーク・タイムズからスマホに速報が届く。「ガザ武装勢力がイスラエルにロケットを発射」死傷者はなかったが、報復としてイスラエル軍はガザを空襲、パレスチナ人死者20人以上、との速報は、来なかった。

 発端は、東エルサレムの緊張の高まりだった。パレスチナ住民の強制退去に抗議する人々とイスラエル警察が衝突、さらにユダヤ系極右住民の集団が「アラブ人に死を」などと叫び、パレスチナの若者が投石や放火で対抗。そして十日未明、礼拝者が集まる聖地のアルアクサ・モスクに治安部隊が突入し、催涙弾やゴム弾で三百人超が負傷。いわばこれに対する報復だった。

 対等な戦闘であるかのように報道されるが、占領者と被占領者の不均衡な暴力の応酬だ。フェイスブックなどのSNSは現地からパレスチナ人が投稿する動画などを検閲・ブロックしたと伝えられ、普段は概ねフェアな英国BBC放送まで「両者合わせて死者約三十人」と繰り返した。そのうちイスラエル側の死者は二人。妙な言い方だ。一方、NYタイムズからは例の速報から丸一日経って「イスラエルによる空襲でガザの死者二十六人、うち九人は子ども」との「速報」が。報道現場のプロと、何らかの親イスラエル圧力の、陰の攻防らしきものが透けて見えるようだ。(文筆家)

* 私は、常日頃、欧米の(BBC、CNN、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ZDFやフランス2など)放送局や新聞社の報道をできるだけ見聞きしているが、日本のメディアに比べて、欧米のメディアは信頼できる報道が多いと思ってきた。しかし、今日のカリーマさんのコラムを読んで、そんな思い込みは危険だと思った。考えてみれば、アメリカはワシントンポストや、ニューヨークタイムズの自国の政権への批判(例えば「大統領の陰謀」や「ペンタゴンペーパーズ」など)は、羨ましくなるほど素晴らしいが、イスラエル・パレスチナ問題に関しては、どこか腰が引けているように感じる。カリーマさんは「普段は概ねフェアな英国BBC放送」という言い方をしているが、どうしてそろってイスラエル贔屓なのか。

* それに対して、いつもは権力批判が生ぬるいと思っている日本の新聞だが、例えば5月12日の毎日新聞朝刊4面は、ガザ空爆26人死亡と大見出しで伝えているし、今日15日の東京新聞朝刊も4面(国際)で、「地上部隊もガザ攻撃」「イスラエル軍空爆600回超」の見出しで大きく伝えている。パレスチナ問題は、私のような日本の独居老人にとって、とてつもなく難しい問題だが、感情的には、イアスラエルよりもパレスチナに肩入れしたくなる。歴史的にも様々な問題が絡み合っていることはわかるが、どう見ても、アメリカという強力な後ろ盾のあるイスラエルが弱いものいじめをしているように映る。そんな単純なことじゃないと批判されるのは承知の上で言うのだが。

* ホモサピエンスは全地球を支配し自分が神になってしまったと「サピエンス全史」の著者は言うが、彼の言うように、この神は全くどうしようもなく危険な神なのだろうか。