2021年5月30日日曜日

124.『はらぺこあおむし』が話題になって思い出すこと

 はらぺこあおむし』 の作者が亡くなって、大きな話題になりましたね。昔、小学校教員をしていた時、特に低学年担任だった時には、いろいろな本の読み聞かせをしました。なぜか、はらぺこあおむしは読んだことがなかったのですが、調べてみたら、日本で最初に出版されたのが1976年偕成社からだったのですね。その時私はもう、高学年担任だったので、はらぺこあおむしの読み聞かせはしなかったのだと思います。

* 低学年での読み聞かせの思い出で一番懐かしいのは、「長くつ下のピッピシリーズ」です。子どもたちも大喜び、グループに分かれてピッピの紙芝居作りをして楽しみました。(今手元にあるのはは、2018年から2019年にかけて岩波書店から発行されたリンドグレーンコレクションの「長くつ下のピッピ」「ピッピ船に乗る」「ピッピ南の島へ」の3冊) 

 また、北極のムーシカミーシカ」も印象的です。地球温暖化で極地の氷が溶け出したなどという話を見聞きすると、いつも北極のムーシカミーシカ」を思い出します。

 子どもたちが大喜びしたのは「ちびくろサンボ」。トラがバターになったところなどみんな手を叩いて喜びました。手元には、「岩波書店、昭和40年3月10日第13刷発行、定価150円」があります。)

 ところが「ちびくろサンボ」は黒人差別だという意見が出てきて、絶版となり1990年8月10日径[こみち]書房から「『ちびくろサンボ』絶版を考える」という本が出ました。手元にあるのは1991年2月20日第7刷発行のものです。2021年5月30日現在「ちびくろサンボ」に関してウイキペディアの記述は以下のとおりです。ご参考までに。

* 2005年(平成17年)6月に著作権の切れた岩波版(光吉夏弥訳)の『ちびくろ・さんぼ[24]』が瑞雲舎から17年ぶりに復刊され、5カ月で15万部を売った。ただし、岩波版は原作でなく、黒人の人種的特長を誇張で問題になっているフランク・ドビアスの絵柄[25]を基にした問題のあるものでありこの絵を使ってのちびくろサンボの復活にはロサンゼルス・タイムズ紙をはじめ、海外のメディアは批判的にこの復刊を伝えたが[要出典]、かつての絶版騒動の頃と違い、国内のマスコミが静観したこともあって[26]、特に大きな問題となっていない。岩波書店はこの復刊を編集権の侵害として抗議したとされている。また、旧岩波版が抱えていた著作権問題は新しい瑞雲舎版でも解決されないままである。 瑞雲舎は、その後も、もともとは岩波版1冊に収められていた、もうひとつのストーリー[27]を別冊にして『ちびくろ・さんぼ2[28]』、ヘレン・バンナーマンによる別の絵本を原作としたストーリーを『ちびくろ・さんぼ3』と銘打って出版。ただし、主人公が女の子から男の子になるなど、内容面はほとんど違う物語といえるくらいに改変されている。

2008年(平成20年)6月、径書房が岩波版『ちびくろ・さんぼ』のもとになった、アメリカ版原書を忠実に再現した『ちびくろサンボ[29]』を出版。岩波版では、サイズなどの規定によって、まるまるカットされたり、切り貼りや左右反転といった形で流用されていたイラストも、原形のまま掲載している。