2021年9月9日木曜日

NO.261 東京新聞9月8日(水)夕刊記事〜青木理〜

次期衆院選
投票でけん制、
監視を〜青木理

政治の空転、
退廃を作った与党

 国会を軽視し、憲法を蔑ろにし、説明も責任もとらず、口を開けば嘘や詭弁ばかり。放埓で強権的な人事で霞が関は忖度と、官邸の顔色ばかりうかがう「ヒラメ化」の風潮に席巻され、だからたとえば公文書は隠され、棄てられ、果ては政権の都合に合わせて改ざんされた。すさまじいまでの退廃である。
 権力行使への謙抑性薄き「一強」政権の長期継続がこうした状況を生み、コロナ対策でも一貫して無残な失敗を繰り返したのだから、それを支えてきた与党の面々にもっと冷ややかな眼を向け、単なる表紙の掛け替えに踊らされず、強大な与党を力強く牽制・監視できる勢力を育てねばならない。それをまもなく訪れる衆院選の投票行動につなげ、この危機の最中に長期の政治空白を生じさせた者たちに突きつけること。でなければ、この国の政治もコロナ対策もさして変わらないと私は確信している。2021.9.8