2021年7月2日金曜日

168.完璧に把握された社会

 * 東京新聞7月2日夕刊3面 *

プロファイリング時代の個人情報

完璧に把握された社会    

池内 了(いけうちさとる=総合研究大学院名誉教授)

 池内教授のこの論考、マイナンバーカードをすでに取得した人も未申請者も必読だと思います!

 書き出しの部分<AI(人工知能)技術の発達によって個人情報が極めて危ない状況にある。その中心的な技法がプロファイリングで、その内容「特定の個人の嗜好や関心や行動などの情報を集約(名寄せ)すること」であり、目的は「その人物の個人データを分析して将来予測をすること」にある。むろん、その予測から人物評価を行い、その人に対する働きかけや誘導を行うことに使われる。コンピューターの能力が飛躍的に拡大したため、さまざまな場で集められたビッグデータを集約処理し、AIが自動的に分析・予測して、いとも簡単にビジネスに応用する時代が訪れているのである。>例えば(中略)長いので中略としますが、この後がこの論考の心臓部分、なんとか本紙を手に入れてお読みくださいませ・・・。

結びの部分<さらに、日本政府はデジタル庁を9月に設置してマイナンバーカードの大幅な普及を図ろうとしているが、これは役場・銀行・病院・学校等で管理している膨大な情報をマイナンバーの下に一元化(名寄せ)することが真の狙いである。当面は、預貯金・健康保険証・給付金受取り・国家試験資格(運転免許など)などについてマイナンバーの使用を強制することが予想される。これにビッグデータからのプロファイリングを結合したら、個人の日常情報が国家によって完璧に把握された監視社会になるだろう。オーウエルの小説「1984年」は単なる作家の空想ではなく、すぐそこまで来ているのである。マイナンバーを断固拒否し、安易にポイントカードには手を出さないように、としか言いようがないのだが。

マイナンバーカードは持っていないし、持つつもりもない。もし、持つことを強制されたら、断固拒否する。国民一人ひとりに番号をつけるなど、まさしく独裁国家。手もとにオーウエルの小説「1984年(ハヤカワ文庫 2017年2月15日31刷)」がある。これからもなんども読み直して、マイナンバーカード拒否を貫かねば。