2021年7月9日金曜日

NO.176 オリンピックはやめるしかない

* 朝から晩までオリンピック関連ニュースにうんざり。これほどオリンピック開催は無理という条件が出揃っているのに、相変わらず〇〇の一つ覚えみたいに「安心安全」とわめいているばかり。何が「安全」で何が「安心」なんだ。どこまで無策無能な内閣、IOCなんだろう。

* その陰で、沖縄の辺野古問題、福島の原発「汚染水」問題、コロナ問題、さらにはジェンダー問題、表現の不自由展問題などなど、毎日大きな見出しで伝えるべき問題が、すっ飛ばされている。イライラが募る。ただし東京新聞9日6面の『視点』は、政治部の山口哲人記者の沖縄の米軍基地問題 県民の怒りや史実に理解をというタイトルの記事を載せた。

*IOC会長が来日し、広島を訪問するとか。何をしに行くのか。広島で残酷に殺された人たち、かろうじて命は助かったもののその後の人生を言いようのない苦しみの中で生きてきた人たち、その家族に バッハ会長はどう向き合うというのか。

* オリンピックが平和の祭典などと本気で思っている人などいないだろう。オリンピックに使う金があったら本当に平和に役立ち、ほんとうに困っている人々や国々を助けることに使えばいい。世界中で毎日毎日飢えている子どもがたくさんいて、コロナで死んでいく人がいて、自粛自粛で閉店に追い込まれている人々に、オリンピックがなんの役に立つのか。とにかく、オリンピックで儲かる人がいる、その人たちのために何が何でも開催する。それだけのことだ。

* 話は変わって、7日のブログに麻生財務大臣会見(会見があったのは7月2日)について書いたが、昨日8日、首相記者会見があった。今日9日の東京新聞朝刊7面に、「首相会見詳報」が載っている。閣僚の記者会見というのは、それぞれの仕事について、また、現在国として取り組んでいる大きな問題について広く国民に知らせるためのものだ。国民ひとりひとりと会うわけにはいかないので、メディアをとうして国民に理解を求めるものだ。だから質問するメディアの記者の後ろには国民がいる。その記者に答えるというよりは、その記者の後ろにいる何万、何百万、何千万の国民に話すことになるのだ。ところが、財務大臣にしろ、首相にしろ、そういう意識がない。だから、質問した記者に「その程度の能力か」などというのだ。そんなやりとりを聞く国民は、逆にその程度の首相か、その程度の財務大臣かと思うわけだ。記者をバカにした発言は、結局自分にかえることを、肝に銘じるべき。

*さて、8日の首相記者会見詳報を読んだ。そもそも記者会見の仕組みなど知らなかったが、菅官房長官が、当時、東京新聞の望月記者を無視したことはよく知っている。記者クラブというものに問題ありと見ていたが、昨日の記者会見の記事で、東京新聞は次のような解説をしていた。

* [ 首相会見の流れ]

 菅首相が冒頭に発言した後、内閣記者会の幹事二社(各社持ち回り)がそれぞれ質問。以降は司会の小野日子(ひかりこ)内閣広報官が挙手した記者の中から質問者を指名した。幹事社を含め計14人が質問し、挙手する記者が残る中、一時間で打ち切られた。本紙は挙手したが指名されなかった。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も同席した。(以上東京新聞より)

* 8日の幹事社は北海道新聞と産経新聞だった。挙手する記者が残っているのになぜ、一時間で打ち切るのか。司会は「もう質問はありませんか」と問うて、誰も挙手しなかったら「これで終わります」というべき。手を挙げている記者がいるのに打ち切るとは国民をなめているとしか言えない。指名されなかった記者は打ち切りを是とせず食い下がってほしい。